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難しさ増すASEAN

(以下引用)
南シナ海の領有権、海洋の安全保障問題をめぐる米国と中国のせめぎ合いは今年、激しさを増すとみられている。米国はアジア・太平洋地域への関与をいっそう 強め、中国は経済協力関係をテコに、東南アジア諸国連合(ASEAN)の分断工作を強化する。ASEANの対応と立場は、一段と難しくなりそうだ。

ASEANは10日、カンボジア・シエムレアプで非公式外相会議の夕食会を開いた。11日の同外相会議と合わせ、南シナ海問題について話し合う。

アジア・太平洋地域における米中の軍事バランスは、米国が圧倒的に優位な状況にある。フィリピン政治暴力テロ研究所のロンメル・バンロイ所長は「米国は 兵力と装備を世界に展開、配備できる能力がある唯一の国。そうした野望を中国も抱いているが、装備の更新・近代化が予想以上に早いとはいえ、実際に能力を 備えるまでには10年以上を要する」とみる。

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そのうえ、中国の海洋権益拡大に対処するための米国の関与強化は今後、「後方支援拠点の確保、戦闘艦や前方展開戦力の配備という形で、東南アジアに徐々 に顕在化してくる」(軍事筋)という状況が加わる。中国の空母運用には数年を要するとみられていることもあり、バンロイ氏は「米国優位の状況は中長期的に も変わらない」と話す。

米中のせめぎ合いは「東南アジアの戦略的な重要性を高めている。そこにはASEANを分裂させる潜在性もある」と指摘するのは、東西センター(米ハワ イ)の客員研究員、ブロンソン・パーシバル氏だ。有識者の一部には、ASEANは中国との経済関係、米国との安全保障関係の二者択一を迫られている-とい う論調が見受けられる。

中国はいっそうの分断工作をASEANに仕掛けてくるとの見方が強い。デラサール大学(フィリピン)のレナト・カストロ教授は(1)対中「強硬派」の フィリピン、ベトナムと、「穏健派」のブルネイ、マレーシアという南シナ海の領有権を争う当事国間の分断(2)当事国と、ラオス、カンボジアなど非当事国 の分断-を強めてくるとみている。

今年のASEAN議長国は「中国寄り」といわれるカンボジアであることから、「南シナ海問題では、米国や日本とASEANとの連携強化も難しくなる」(東南アジア外交筋)ことが予想される。

東南アジア研究所(シンガポール)のトビアス・レティグ准教授は「中国共産党総書記の今年の交代がASEANにどう影響するのか、注目する必要がある」と指摘する。

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